矯正歯科コラム

2020.05.13

なぜ矯正治療で歯が動くか?

矯正治療でどうして歯が動くか、疑問に思っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。実際に、患者さんから質問されることも多いです。
今回は簡単にその仕組みを説明したいと思います。

1.歯と歯周組織の構造
歯は、歯根膜という繊維性の組織を介して歯槽骨に支えられています。歯根膜の厚さは0.2〜0.3ミリ程度で、外力がかかった時に歯が適度に動けるための緩衝作用を果たしています。

2.歯に力をかけたとき
歯を図のように右方向に動かす力をかけた時、圧迫された方の歯根膜は縮み、引っ張られた方の歯根膜は伸びます。

3.歯槽骨が改造していきます
歯根膜の厚みを一定に保つため、圧迫された側の歯槽骨の表面に破骨細胞(骨を壊す細胞)が、引っ張られた側には骨芽細胞(骨を作る細胞)がそれぞれ出現し、骨が改造されていきます。

4.矯正治療はこの反応の繰り返しです
矯正治療が終わるまでこの反応が繰り返し起こり、歯が少しずつ目的の位置まで動いていきます。