矯正歯科コラム

2020.01.24

E-iline(エステティックライン)について

口元が出ているなど、横顔の外観に対して不満を持っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
口元の審美性を判断する基準に、E-lineというものがあります。
これは鼻とオトガイ(下顎の先)を結んだ線で、その線と口唇との位置関係で、口元の審美性を評価しようとするものです。矯正治療における診断や治療予測、治療後の症例評価などに広く用いられています。
どのような顔貌が調和がとれて美しいと判断するかは、人種・性別・年代や社会的背景などによって変わりますが、日本人の場合は、おおよそ口唇の位置が基準の線より2ミリほど後退したところが最も好まれるようです。
見え方はその人の骨格的要素によっても変わります。すなわち、出っ歯傾向で下顎が後退しているような人と、受け口傾向の骨格の場合では、美しいと見える口唇の位置が違ってきます。
また、口元に関する要望は患者さんそれぞれの価値観によっても変わってきますから、矯正治療前に可能な限り治療の目標を患者さんと術者で共有することが望ましいです。

下顎が後退した人(左)は口元が充分下がっていなくても調和が取れたように見え、
下顎が前突気味(右)の人は口唇が下がりすぎると口元が貧相に見えることがある

 

当院では、治療を始める前の検査および診断で、治療による前歯の位置の変化に伴い、口元のかたちがどう変わるのか、可能な限り正確にお伝えするようにしています。

矯正治療開始前の治療予測の例